成長期に背骨が曲がる特発性側弯症②

特発性側弯症

ということで続きになります。

前回の記事がこちら →成長期に背骨が曲がる特発性側弯症①

側弯症に対して他の国はどのようなことをやっているのか?

日本の側弯症に対する医療としての向きい方は

  1. 経過観察
  2. 装具をつける
  3. 手術

ドイツ、イタリア、ポーランドなどのヨーロッパ、オーストラリアでは

  1. 運動療法
  2. 装具をつける
  3. 手術

となっており、運動療法を推奨しています。

日本の医療というのは悪くなった結果にたいして処置をしていくことに健康保険などが使えるので、予防的対策はあまり医療というものではないと判断しているのかもしれません。未病などという言葉が浸透してきたのもつい最近ですので。

そして何より一人一人に時間がかかる

日本の病院が力を入れない理由はこれが大きいでしょうね。総合病院には日に何百人という患者さんが来院するのでしょうし、一人一人にそんなに時間を割いていられない、というところではないかと思います。

とはいえ側弯症はもう経過観察といわれるコブ角10°以上(コブ角の意味はこちらの記事で)でも発症しているので、少しでも進行を防げるのであれば早いうちにやれることはやるべきですし、この時点できちんとドンピシャで原因をつきとめることができれば正中線上に戻っているという症例も多数あります。

私は仕事柄当然ですが、次の検診まで進行しないことをただ祈って待つことはできなかったです。

評価(アセスメント)が命

側弯症の何が大事かというと、すべては評価(アセスメント)です。

側弯症の子に何をやっていくかというと

  1. 正しい評価
  2. 自身の身体の理解
  3. 日常習慣の見直し
  4. 正しい運動療法(トレーニング)、前処置としての手技
1,正しい評価

良くなる希望があるものと、ないものをしっかり鑑別する。

先天性のものや、病気にともなう側弯は絶対とは言えないが、良くなる可能性は低い(手術は別として、保存療法、運動療法では)。

本来遺伝性ではなく、良くなる可能性があるものでも家族に側弯症がいないのに「遺伝ですね」と言われ放置されるケースも多々あります。

スポーツや日常の姿勢など、原因となる可能性があるものはすべてチェックして行く。場合によってはスポーツの動きを見直してもらうこともあります。

2,自分の身体の理解

背骨がどのような湾曲を描いていて、どのような姿勢で悪化して、どうすれば正しい方向に戻るのかを感覚と実際の歪みと差異がないように実感してもらいます。

自ら自分の身体を知って正しい位置とはどこなのかを脳に再教育していく必要があります。

3,日常習慣の見直し

歩き方、座り方、立ち方、鞄の持ち方、など、個々にあった歪みを悪化させない方向に意識してもらいます。

4,運動療法(トレーニング)、前処置としての手技

一般の方は側弯というものが横にだけ曲がるイメージをする方も多いと思います。

確かにヨコ軸にだけ曲がる側弯もあります。ただ多くは3Dに捻れて倒れて曲がります。

この方向を正しく導かないで運動することにより逆に悪化させる場合もあります。やみくもにストレッチ、ネットの情報で適当に運動などをすることはやめたほうがいいです。

手技も運動療法の効果を上げるものとして行いますが、あくまでそれは運動療法の補助的な前処置としてのものです。施術がメインで良くなるものではありません。

今まで関わることがないところだと思っていたところではありましたが、これは我々手技療法家が正しい知識を持ち介入していくべきところなのではないかと物凄く感じております。

後々は装具も必要で、ある程度進行の進んだ側弯症もアプローチしていきたいと思いますが、当面は二次検診の整形外科で経過観察と言われたコブ角が25°未満の方のご相談にのって行きたいと考えています。

もしこのブログを見て、ご家族、ご友人、関係者の中で息子と同じように経過観察と言われて悩んでいる方がいる場合のであればお力になりたいです。ぜひご相談頂ければと思います。

角度が進み装具になった場合は基本的に装具の威力を発揮するには最低18時間以上、理想は23時間ずっと装着です。風呂とか以外は寝る時もずっとです。スポーツも難しいです。そうならない可能性があるならそうなる前の段階で絶対取り組むべきです。

仙台市宮城野区東仙台2-16-16  P2台分あり

東仙台駅前徒歩1分 ちば接骨院

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コメント

  1. 鈴木 says:

    千葉先生様
    いつもお世話になっております。ブログ拝読させていただきました。我が家も娘が生まれつき股関節が悪く、生まれてから二年間だったと思いますが、装具をつけ入浴もできませんでした。また最近では線維筋痛症を発症し、箸でご飯も食べられない、立ち上がる事さえできず車椅子生活。3ヶ月入院はしましたが、何も変わっていません。何か解決方法や治療法があるはずと、私達は病院を受診します。先生おっしゃるように、藁にもすがる思いで…
    自分だって嫌なのに、まして我が子にメスを入れるなんて親なら誰だって嫌に決まってます。娘が病気になり、退院して1ヶ月弱、リウマチに効く入浴剤を買って試したり、食べ物は全部オーガニック、水も産地から厳選しました。お陰でおこづかいが…そして毎日運動療法を私もリハビリの先生のところに行き、勉強して、現在では一人でトイレに行くまで回復しました。お子さんの野球に命をかけて取り組んでいた、千葉さん奥様の心労お察しいたします。我々親が諦めたら子供の事は守ってやれないので、今後もお互いに頑張りましょうね。長文失礼致しました。臨床経験にはなりませんが、私の腰結構ヤバイので、みてもらえたらありがたいです。

    • chiba says:

      ご無沙汰しております。だいぶお会いしない間に大変なことになっていたのですね。
      お子様が早く日常生活に戻られること祈っております。

      父のお小遣いはなくても問題ないかと思いますので、全力でお子様に捧げてください!!

      まずは父が元気で働くためにも、体をしっかりケアしましょうか!いつでもお待ちしております。

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